『ハン・ソロ スター・ウォーズ・ストーリー』 「ハン・ソロ」はハン・ソロ足り得たのか? 感想 ネタバレ有り
新たなハン・ソロの誕生!!
原題/Solo: A Star Wars Story
上映時間/135分
監督/ロン・ハワード
出演/オールデン・エアエンクライン
あらすじ
帝国の支配下にある惑星コレリア。
スラム出身のハンとキーラは、
貧困のため犯罪組織ホワイト・ワームズへの参加を余儀なくされていた。
精製ハイパー燃料コアクシウムを盗み出したハンはキーラと共に、
コレリアからの脱出計画を実行する。
逃亡中に捕らわれるキーラ。
キーラに促されてその場から逃亡するハン。
脱出のために帝国アカデミーに志願したハンは、
いつか宇宙船を手にいれてキーラを助けに戻ると心に誓った…
より色濃くなった西部劇インスパイア
西部劇にインスパイアされたスター・ウォーズですが、
宇宙のアウトローたちが主役の本作はより際立っています。
列車強盗、鉱山(コアクシウム鉱)襲撃、
酒場でのカードゲーム、
ピストル越しの敵との対峙、
と数多くのインスパイアされたシーンが登場します。
「ローグワン」では、七人の侍。
「ハン・ソロ」では、西部劇。
スピンオフによって全く違う切り口を見せてくれるのも楽しいですね。
目的を得た相棒とユニークな仲間たち
ハン・ソロの相棒として有名なチューバッカ。
今までは、ハンの横でウォーウォーいっているだけの副操縦士でしたが、
今回は仲間の捜索という、
明確な目的をもって行動をともにします。
彼が最終的に仲間よりハンを選んだことで、
今まで以上に相棒としての絆を描けましたね。
ハンとのロマンスを繰り広げるキーラ。
いつか田舎の彼女を迎えに行くんだ…と純情なハンをよそに、
自力で這い上がってきたキャリアガール。
アウトローとして生きざまを体現した男、
トバイアス・ベケット。
道を外れる厳しさやアウトローとしての生きざまをハンに説く。
あとピストルぐるぐるまわすのが上手い。
ミレニアム・ファルコンの持ち主ランド・カルリジアンと
相棒の女性型アンドロイドのL3。
アンドロイドの権利を求めるL3は、
今までのC3-POなどとはまた違った、
とてもユニークなアンドロイドでした。
正直ランドの方が影薄かったですね…
ハン・ソロの由来
スラム出身のため名字がないハン。
惑星コレリアで帝国アカデミーに志願する際に名前を聞かれる。
「名前は?」
「ハンだ。」
「家族の名は?」
「家族はいない、ただのハンだ。」
「じゃあ、ハン……ソロだな…」
ソロって、そういうことなの…
ただの1人(ソロ)のハン。
意味合いとしては、ピッタリですけど…
真のラスボスの存在
クリムゾン・ドーンのドライデン・ヴォスを倒したハンとキーラ。
その後、1人になったキーラは、
犯罪組織の真の支配者に連絡をとる。
通信ホログラムに写し出されたのは、
かつてシスの一員であった
「ダース・モール」であった。
スター・ウォーズの映画シリーズしか観ない人は、
なぜ生きているの?
と混乱することでしょう。
オビ・ワン・ケノービとの対決の結果、
身体を上半身と下半身に切断され、
奈落へと落ちていったダース・モールは、
とても復活する死にかたではありませんでしたよね…
しかし、
ジョージ・ルーカス制作総指揮のCGアニメ
「スター・ウォーズ クローン・ウォーズ」では、
機械の足を手に入れたダース・モールの復活と復讐が描かれています。
その登場は衝撃的でしたが、
今後のスピンオフには登場するのか?
監督のインタビューでは、
実は脚本では決まっていなくて、ビッグボスとしてしか書かれてなかった。脚本を読んだときに、カスダン親子とかキャスリーン・ケネディが決めているんだろうと思ったら、単にこの人かもしれないってリストがあっただけなんだよね。そのリストなかで、その名前を見た僕は、アニメのシリーズを観ていたし、これだったら一番面白いんじゃないかということで、実は僕が推したんだよ。
(IGN Japan インタビューより)
と語っているので、
今回限りの再登場なのかもしれませんね…
「エピソードⅣ」のハン・ソロは、
「俺は全てを取り巻くフォースとやらには、一度もお目にかかったことはなかったぜ。」
と言っていましたしね…
新たなハン・ソロはハン・ソロ足り得たのか?
「エピソードⅣ」以降の皮肉屋でひねくれものだが、
今作で、そんな彼のバックボーンを描き、
どの様にあのアウトローが誕生したかを観ることが出来ると期待しました。
しかし、
自分の主観では、
今作の内容ではハリソン・フォードが演じたハン・ソロとのギャップを強く感じました。
別の俳優が演じたんだから、
当たり前だ、バカヤロー!!みたいな批判は無しでね…
ハリソン・フォードが演じたハンは、
一見ニヒルにみえるが、心の奥に情熱を持ち、
無法者であるがゆえに素直になれないところもある。
二面性を強く持つキャラクターでした。
今作のハンは、
若さゆえの野心や無謀さと、
ユーモアを持ち合わせた人物でした。
そして、
彼のユニークで情熱的な若者というイメージは最後まで崩れませんでした。
信じていたキーラに裏切られた影響で、
人を信じきれない性格になるとしても、
それは、まだ先の話と思いました。
自分を騙して逃げたランドに対しても、
あえてカードでリベンジするユーモアがまだ残ってましたからね。
つまり、
今回の「ハン・ソロ」は、
今までのイメージを掘り下げる映画ではなく、
彼の新たな一面を発掘する映画でした。
個人的満足度
7/10
ハン・ソロの新たな一面を観れる作品。
魅力的なキャラクターも多く登場。
シリーズのコアファンにはちょっと違和感があるかも…