『居眠り磐音』分かりやすい本格的な時代劇!! 感想 ネタバレなし
『居眠り磐音』
監督/本木克英
出演/松坂桃李
上映時間/121分
観賞方法/映画館
あらすじ
3年間の江戸勤番を終えた坂崎磐音は幼なじみの小林琴平、河井慎之輔とともに九州・豊後関前藩に戻った。琴平の妹・舞は慎之輔に嫁ぎ、磐音もまた、琴平と舞の妹である奈緒との祝言を控えていた。しかし、妻の舞が不貞を犯したという噂を耳にした慎之輔が舞を斬ってしまい、それに激高した琴平が慎之輔に噂を吹き込んだ人物と慎之助本人をも斬るという事態に発展。磐音は罰せられた琴平を討ち取るよう命じられてしまう。2人の友を1日にして失う悲劇に見舞われた磐音は、許婚の小林奈緒を残したまま関前を後にし、たどり着いた江戸の長屋で浪人に身をやつすこととなる。昼は鰻割きとして働き、夜は両替商・今津屋で用心棒稼業を始めた磐音だったが……。
(映画.comより)
現代人に分かりやすい時代劇
普段は映画館で、
時代劇を観ることは少ないのですが、
気分を変えて観てきました。
監督の本木克英は、
『超高速!参勤交代』や、
『空飛ぶタイヤ』を手掛けています。
『超高速!参勤交代』は、
時代劇に派手なエンタメ性を付け加えた作品でしたが、
『居眠り磐音』は、
本格的な時代劇を現代人にも分かりやすい
表現で描いた作品でしたね。
主人公は松坂桃李、
ヒロインは芳根京子が演じていて、
時代劇を観ない若者層も、
入りやすい作品だと思いますよ。
日曜日の最初の上映で観たので、
見事に年齢層が高かったですが…
分かりやすさの弊害も…
登場人物の名前が字幕で表示されるのですが、
これが少しくどい…
序盤では脇役の名前まで表示されるので、
あとで登場するのかな?と思ったら登場しないなど、
紹介する必要を感じない人物の名前まで
表示されていましたよ…
もう1つ気になったのが、
登場人物の説明口調…
わざわざ説明しなくても…
と感じるシーンが多々あります。
分かりやすいんですが、
映画よりも、
少しテレビっぽいですよね…
迫力はあるが、あっさり目の殺陣シーン
時代劇といえば切り離せないのが、
日本刀での殺陣シーンですね。
主人公の磐音は、
居眠り剣法と呼ばれる剣術の達人です。
居眠り剣法での殺陣は、
座頭市のように複数の敵を
バッタバッタと斬り倒していくよりも、
一対一での勝負が印象的でした。
そのため殺陣は、
迫力がありましたが、
割りとあっさりとした印象でしたね。
座頭市のように主人公が、
バッタバッタと悪漢を斬り倒していく
爽快感を期待すると肩透かしを食らうかも…
傷付いても前に進む、磐音の魅力…
主人公の磐音は、
無敵の剣客という訳ではありません。
浪人に身を落としているため、
ボロボロの長屋に住み、
鰻屋の仕事で日銭を稼ぎます。
金のためにやむ無く、
用心棒の仕事を引き受けますが、
戦いで傷付き、怪我を負うこともあります。
何よりも親友たちを救えずに、
将来を誓った女性さえも救えないことで、
心に深い傷を負って生きています。
傷付きながらも、
優しさを失わずに前に進む、
磐音の姿は観る人の心を打つと思いました。
磐音の物語はシリーズ化なるか!?
主人公の磐音の魅力を描きながらも、
時代劇の華である殺陣シーンや、
江戸時代の雰囲気を上手く描いた作品でした。
原作が全51巻の超大作なので、
今回のヒット次第では、
シリーズ化もあり得る作品なので、
興味のある方には劇場で観てほしいですね。