蛸八の備忘録 映画・漫画・ゲーム

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『七つの会議』の良かったポイントと良くないポイント 感想 ネタバレなし

働くことに正義なんてあるのか?
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『七つの会議』

監督/福澤克雄

出演/野村萬斎

          及川光博

          香川照之

上映時間/119分

観賞方法/映画館

 

あらすじ

中堅メーカー・東京建電の営業一課で万年係長の八角民夫は、いわゆる「ぐうたら社員」。トップセールスマンで、八角の年下である課長の坂戸からは、そのなまけぶりを叱責され、営業部長・北川誠が進める結果主義の方針の下、部員たちが必死で働く中、八角はひょうひょうとした毎日を送っていた。そんなある日、社内でパワハラ騒動が問題となり、坂戸に異動処分が下される。坂戸に代わって万年二番手に甘んじてきた原島が新しい課長として一課に着任するが、そこには想像を絶する秘密と闇が隠されていた。

(映画.comより)

 

 

 

 

オムニバス形式の原作を上手くまとめているが…
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パワハラで転属になった片岡愛之助演じる坂戸に変わり、

営業一課 課長に就任した及川光博演じる原島

退職を控えた事務職の朝倉が隠された秘密を追いかけます。

 

そして、

隠された秘密の鍵を握るのは、

野村萬斎が演じる八角民生、

通称 居眠りハッカクと呼ばれるぐうたら社員です。

 

池井戸潤の原作小説は、

東京建電の隠された秘密に翻弄される人々

オムニバス形式で描いています。

 

映画では、

オムニバス形式だった原作を数人の主要人物の目線から、

物語を進めることで上手くまとめています。

 

しかし、

 

序盤に足りない目線を補うために、

主要人物以外のモノローグが入るのですが、

それが少し多い!!

 

いちいち心情を説明口調のモノローグで解説するため、

ちょっと口説いな、と感じました…

 

主要人物以外の出来事を描く時間がないため、

しょうがない気もしますが…

 

 

野村萬斎を筆頭にした豪華出演者たち!!
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序盤のモノローグは気になりましたが、

中盤以降は東京建電に隠された謎を巡る、

豪華な出演陣たちの演技に引き込まれます!

 

特に強い印象を残すのは、

野村萬斎香川照之の2人ですね!!


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野村萬斎は、

癖の強い不良社員を演じています。

 

不良社員としての一面と、

その裏に隠し持った愚直な心を持った人物に

ピッタリの演技でした!!

 

「イッヒッヒ」なんて不気味な笑いかたをしているのも、

野村萬斎以外が演じていたら不自然だったでしょうね!


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香川照之は、

迫力ある営業部長を演じています!!

 

やっぱり怒鳴る演技が迫力ある!!

演技が過剰って思う人もいるかも知れませんが…

 


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もう1人気になったのは、岡田浩暉!!

 

あまり存じ上げない俳優だったのですが、

華の営業一課から都落ちしたカスタマー室長を演じるのですが、

這い上がってやろうというこの面構えが良いですね!

 

1人だけ楳図かずおの漫画みたいでしたよ…


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余談ですが、

町工場を支える1人として土屋太鳳が出てくるんですよ。

 

下町ロケット」に続いて、

また町工場の社長の娘役を演じているのか、

と何の疑問も持たずに観ていたんです。

 

しかし、

パンフレットを見ると、

実は社長の妹役だったんですよ…

 

妹にしては、若すぎるだろ…

 

他にも、

下町ロケット」に出演していた俳優が、

多数出演しています。

 

監督が、

下町ロケット」のチーフ演出をしていたようなので、

仕方ないですが、

もっと別の俳優を起用しても良かったのでは…

 

春風亭昇太とか、立川談春とか、

他の映画ではあまり観ないですよね…

 

 

働くことの正義とは?
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会社勤めをしたことがある人なら、

上司の理不尽に頭を抱え、

何で自分はここで働いているんだ?と、

疑問に思ったことが一度はあるはずです。

 

僕は100回以上ありますが…

 

そんなサラリーマンのやるせない気持ちを、

エンターテイメントとしてまとめた良作でした。

 

最後の居眠りハッカクの1人語りでは、

正義の答えではなく、

正義であろうとする心構えを伝えられたような気がします。