『キス・ミー・ファースト』Netflix 感想 若干ネタバレあり
ゲームがリアルを侵食する…
原題/KISS ME FIRST
あらすじ
最愛の母が死に、ひとりぼっちとなったレイラ。
唯一の慰めは、
オンラインゲーム・アザナにログインすること。
ある日、
レイラは謎の少女マニアに導かれ、
アザナ内の特別エリアに集まる
謎のグループ「レッドピル」に参加する。
一見リアルでの悩みから解放され、
支えあっているように見えるが、
創立者エイドリアンには、別の目的があった…
リアルとゲームが交錯するサイバースリラー
Netflixより配信が開始されたサイバースリラー
『キス・ミー・ファースト』
オンラインゲームをプレイする姿は、
4月に公開された「レディ・プレイヤー1」を思い出しますね。
パロディやオマージュが多く、
明るいトーンの「レディ・プレイヤー1」と異なり、
「キス・ミー・ファースト」は、
正反対のサイバースリラーとなっています。
僕も「レディ・プレイヤー1」のような冒険活劇を期待して視聴したので、
予想をはるかに裏切られました…
しかし、
オンラインゲームを題材にしたスリラーとしては、
見ごたえのある内容になっています!!
オンラインゲームの出来事が現実に侵食していき、
現実と拡張現実の壁があいまいになっていく様は本作独自の感覚ですね。
主人公レイラ=アバター名、シャドウファックス
母親を失い、天涯孤独となったレイラ。
世間知らずなのに、
初めて訪れたカフェでいきなり「働かせて下さい!!」と言える飛び抜けた行動力をみせたり、
友人の不倫相手にしのびより、
彼女と別れないと奥さんにバラすぞと、
相手の弱みを巧みに利用した脅しをかけるのが得意。
なんていうか…
なかなかヤバい女の子…
しかも、
高校時代の教師の一言アドバイスだけで、
特別な訓練もしてないのに、
いきなり高度なハッキング技術を発揮したりする
彼女なら、
カフェのウェイター以外にもっと良い仕事が
すぐに見つかりそうですね…
愛を求める少女 テス=アバター名、マニア
レイラの前に突然現れた女性。
アザナ内で、
バレるくらい露骨なネットストーカー的行為でレイラに近づき友人になる。
後にエイドリアンが、
「レッドピルでは、求めてるものを与えあう…」
「マニアが求めてるものは友達…」
とドヤ顔で語ってます。
しかし、
普通こんな近づきかたされたら、
怖くて友達になんかならねぇから!!
躁鬱病に苦しみ、
ただ自分を愛してくれる存在を求めてると、
分かると彼女の行動もわかりますが…
「レッドピル」創立者にして謎の存在エイドリアン
現実に問題を抱え、アザナに集まる「レッドピル」
映画「マトリックス」に登場する真実を知り、
仮想現実から目覚めるために飲む赤い薬(レッドピル)が由来となっている。
言葉巧みににメンバーの信頼を勝ち取り、
現実の彼らを操るエイドリアン。
彼の目的と正体とは?
「君にもあげるよ、シャドウファックス」
「君が一番欲しいもの…」
「僕は約束を守る」
そしてゲームは続く
物語は終わりを向かえるが、
謎が残り、本当の決着はまだついていない。
最後にかかってきたエイドリアンからの電話、
「新しい冒険が始まる」
「今度はかなりレベルが高いぞ…」
「じゃあまた、シャドウファックス…」
果たしてレイラとテスの運命は?
そして首謀者のエイドリアンとの決着は?
シーズン2を待つしかないですね…
個人的満足度
7/10
オンラインゲームを利用した恐怖体験を上手く表現している。
VR空間だからこそ時折切り替わる一人称視点が活きており、このドラマの独自性を確立している。
その反面、説明不足と思われる箇所も少なくない…
1シーズンで落ちをつけることも可能だったのでは?と思わせてしまうラストも少し残念ですね。