蛸八の備忘録 映画・漫画・ゲーム

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ニンジャバットマン クレイジーで最高なバットマン誕生 ネタバレ有り

 最高にクレイジーな日本産バットマン見参!!
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 監督/水崎淳平

脚本/中島かずき

上映時間/85分

 

 

 あらすじ

 アーカムアサイラムに集まったヴィラン達を使い、

何かを企むゴリラ・グロッドを追い詰めたバットマン

しかし、

突如動き出した謎の装置に巻き込まれて、

見知らぬ土地に飛ばされてしまう。

 その場所は、戦国時代の日本。

尾張の国の当主に成り代わり、

第六天魔王を名乗るジョーカーの軍勢に追い込まれるバットマンだが…

 

 

 

予想以上にクレイジーバットマンだったぜ……(良い意味で)
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 予告編を観た印象は、

戦国時代にタイムスリップしたバットマンが、

彼の持ち味のガジェットを封印されて、

己の肉体と信念だけでヴィランに立ち向かうのか、面白そうだなぁー、

とぼんやりと考えていました。

 

だが、映画を観て、

そんな甘ちょろい考えは叩き壊されましたよ、

完全に。

 

この映画の印象を挙げるなら、

バットマン

+「クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望」

+「かぐや姫の物語

+「天元突破 グレンラガン

+「バットマン

=『ニンジャバットマン

 

こんな印象です。

入口と出口をバットマンで固めて、

間に後の要素をぶちこんだみたいな……

 

なに言ってるかわからないだろうが、

これが事実だ。

 

1つだけ言えるのは、

馬鹿馬鹿しくて最高に面白いってこと、

ただそれだけだ。

 

 

クレイジーな映画を作ったクレイジーなスタッフ(誉め言葉)
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監督の水崎淳平が率いる神風動画。

TVシリーズジョジョの奇妙な冒険」のOP映像などを手掛ける。

 

初めてジョジョのOPを観たときは、衝撃でしたね!!

 

漫画のコマを飛び出し、

ジョジョとディオが動き出す様は正直アニメ本編より印象的でした。

 

ポプテピピック」 というイカれたアニメを作ったことでも、有名ですね!!

 

そして、

脚本は「天元突破 グレンラガン」や「キルラキル」の中島かずき

 

映画を観るまで、

脚本を中島かずきが書いていることを知らず、

あるシーンで思いっきりグレンラガンやっていたので気付きましたよ。

 

最高に馬鹿な脚本です!!(誉め言葉)

 

 

 ここからは、ネタバレを含みます!!

 

 

イケメン過ぎるゴリラ  ゴリラ・グロッド
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 ことの始まりは、

このイケメン過ぎるゴリラことゴリラ・グロッドが、

タイムマシンの実験をして、

ついでに目障りなヴィランを消し去ろうとしたことにある。

 

DCコミックに疎い僕にとっては、

誰だこのゴリラ?って感じですが、

今回のキーパーソンもといキーゴリラ。

 

 「私は、この国を猿の王国にする」

という名ゼリフを吐いたイケメンゴリラ。

 

声優の子安武人の声も合わさり、

無駄にイケメンなゴリラ。

 

アカデミー賞最優秀ゴリラ部門ノミネート決定です。

 

 

 ヴィラン戦国大名に大出世!!
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バットマンが戦国時代にタイムスリップしたのが、

ヴィランたちが戦国時代についてから2年後。

 

その間に暗躍したヴィランたちが戦国大名の座を乗っ取り、各国を治めていた。

 

ジョーカーが尾張の国、ペンギンが甲斐の国、

ポイズン・アイビーが越後の国といった具合である。

 

正直、歴史の知識があろうが無かろうが、

この映画を楽しむ上で大差ない。

 

戦国BASARAやったことあるぜ!!くらいの知識で問題ない。

 

タイムスリップにおける時代考証とか、

語りたい人は白目むく内容ですから…

 

 

 

この城、動くぞ!!
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 運良く先に戦国時代に迷い込んだ執事アルフレッドと合流し、

彼が隠し持っていたバットモービルで、

ジョーカーが住む城の天守閣を目指すバットマン

 

戦国時代の兵器では歯が立たないジョーカーは、

起動兵器に改造した城で迎えうつ。

 

タイムスリップした犯罪者が、

城を改造した巨大ロボットに乗り戦う…

 

この姿は、

まさにクレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望」のラストと同じですね。

 

この無茶苦茶な戦いを観て、

この映画は、どの実写版「バットマン」や「レゴ バットマン」とも一線を画することがわかりますね…

 

この戦いで、

ジョーカーに敗れたバットマンは、

戦国時代の忍集団 蝙蝠衆に助けられ、

同じく戦国時代に飛ばされたゴリラ・グロッドと手を組み、

 ジョーカーを倒します。

 

しかし、

ジョーカー打倒後に裏切ったゴリラ・グロッドによって、

バットマンは再び敗れてしまいます。

 

もう戦いのシークエンスがノンストップで続くので、

息をつく暇がないですね。

 


記憶を失ったジョーカーとの対峙
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この映画で一際異彩を放つシーンが、

戦いで記憶をなくしたジョーカーと再開するシーンです。

 

いきなり絵が、

かぐや姫の物語となりの山田くん

のような水彩画調に切り替わります。

 

いやいや、いきなり過ぎるよ!!

ってくらい急に絵が変わるので、驚きましたよ…

 

しかも、

記憶をなくしたジョーカーが農民姿になり、

虚無僧に変装したレッドフードに、

「お前のようなファーマー(農民)がいるか!!」

とボコボコにされる姿はシュール過ぎますよ!!

 

北斗の拳

「お前のようなババアがいるか!!」

に匹敵する名ゼリフですね…

 

 

地獄ヶ原での決戦!!
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元の世界に帰還するためのアイテムをめぐり、

富士山麓の地獄ヶ原でヴィランたちの最終決戦が始まる。

 

 ヴィランたちが築いた居城が、

巨大ロボットに変身し、地獄ヶ原に集結します。

 

だが、

ゴリラ・グロッドのテレパシー能力によって、

ヴィランたちの精神はすで操られていたのだ!!

 

 さらに、

記憶を取り戻したジョーカーが乱入し、

油断したゴリラ・グロッドを倒し、

ヴィランたちの主導権をにぎる。

 

そして、ジョーカーは高らかに叫ぶ。

ヴィランの諸君、合体の時間だよ!!」

 
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ヴィラン連合のロボットたちが合体し、

超巨大ロボットが誕生した!!

 

…あれ、バットマンじゃなかったっけ?

いや、まんまグレンラガンだよね!!

 

 

超巨大ロボットの脅威に為す術も無い、

バットマンたち。

 

 ジョーカーに出し抜かれたゴリラ・グロッドは、

最後の力を振り絞り、己の笛をたくす。

 

その笛をロビンが奏でると、

 大量のニホンザルたちが集まり、巨大なサルロボットに変身したのだ!!

 


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いや、なんじゃこりゃー!!

 

 だが、そんな巨大サルロボでも、

ジョーカーの合体ロボには、一歩及ばない…

 

そこへ加勢にきた蝙蝠衆と共に現れたコウモリたちが、

巨大サルロボを包み込み、

さらに、巨大なバットマンロボに変身したのだ!!

 

なんじゃこりゃー!!part2

 

しかも、

そのバットマンTVシリーズ風の姿なのが、

おかしく、おかしくて!!

 

 

巨大バットマンが、

合体ロボの頭部にあたる天守閣を殴り、

そのまま天守閣に乗り込むバットマン(通常サイズ)。

 

このシーンは、

グレンラガンとアンチ・スパイラルとの最終決戦そのままじゃねぇか!!

 

 何だよ…

馬鹿馬鹿しくて、最高じゃねぇか!!

 

 

 宿敵 ジョーカーとの対決!!
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天守閣に乗り込み、ジョーカーとの最終決戦。

 

ジョーカーは本作で、

「ヒーローは大変だなぁ、バッツ」

 と繰り返し問いかけます。

 

ヴィランを捕まえるため、

私闘を繰り返すバットマンですが、

あくまで不殺を貫くバットマンジョーカーは語ります。

 

「ヒーローに人殺しは出来ねぇよ」

「だけど、俺にはお前が殺せるんだよバットマン…」

 

悪としての自分を理解し、

ヒーローとしての一線を守るバットマンを嘲笑し、

一線を越えるように促すジョーカー。

 

追い詰められて、

天守閣から突き出されても、

ジョーカーは不敵に笑う…

 

「さあ、殺せ!!」

「いいぜ、お前は最高だよ、バットマン…」

 

自分を殺させることが、

ヒーローとしてのバットマンを敗北させるための、

唯一の方法であると理解するジョーカー。

 

犯罪を楽しみ、

ある意味で宿敵バットマンをもっとも理解するジョーカーは、

まさしく惡の華でした。

 

最後にバットマンジョーカーの信念をぶつけ合いを描くことで、

この映画はバットマン映画として完成しました。

 

こんなカッコいい悪役を描いた映画も珍しいです。

 

 

個人的満足度

   10/10

侍、ニンジャ、巨大ロボット。

日本のエッセンスを最大限に詰め込んだが、

あくまで主役はバットマン

むちゃくちゃで、クレイジーで、最高な映画です。

 

 

 

余談
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本作のパンフレットも設定資料やヴィランたちの設定が書かれており、オススメです。