カーゴ 父の愛はウイルスに勝てるのか? Netflix配信 ネタバレ有り
すべては愛娘のために…
原題/CARGO
上映時間/104分
監督/ヨランダ・ラムケ
出演/マーティン・フリーマン
あらすじ
謎のウイルスに侵されたオーストラリア。
アンディは感染者から逃げるため、
妻と幼い娘を連れて船で川を下っていた。
だが、難破したボートに隠れた感染者に妻が噛まれてしまう。
治療のため近くの街に向かうが、
道半ばで妻が感染者に変異し、自身もまた感染してしまう。
感染から自我を失うまで、およそ48時間。
わが子を連れて、アンディは荒野をさまよう…
ゾンビ映画として観ると?
謎のウイルスから逃れるため、
市街地を避け、川下りで進む主人公。
この作品では、大都市が登場しません。
途中に小さな街が登場するのみ。
そのため、
オーストラリアの都市がどれ程のダメージを受け、どんな状態なのかわかりません…
治療キットの地図から、
主要都市に感染拡大したこと。
ある女性との、
「復旧するとおもう?」
「しばらく無理だろうな…」という会話。
この会話から市街地にも相当のダメージがあることを匂わしています。
一度に登場する感染者もせいぜい数十体くらいで、
ゾンビ映画にありがちな派手な銃撃戦も無く、
ゾンビ映画としての迫力は少し弱いと感じました。
ウイルスに感染すると不可解な行動をとりますが、
その行動の意味が説明されないのでわからない…
オーストラリアの先住民アボリジニらしき一族が浄化と称して、
ゾンビを狩っていたりと独自の面白い設定はあるのに活かしきれていない印象を受けました。
父は娘を連れ荒野を、さまよう…
父が娘のため、感染に抗いながらも前に進もうとする姿。
オーストラリアの荒野で、槍を使い感染者を仕留める一族の姿。
復旧を信じて過去のインフラにしがみつく哀れな男の姿。
崩壊後の世界で生きようする、
さまざまな人の生き方。
決して派手な訳ではないが、
この映画には秘められた魅力がある。
彼がとった最後の行動とは?
目的地までの距離はまだ長く、
だが、感染が進みアンディは意識を保てない。
無理にでも前に進むために彼は、
感染者が人の血の匂いに反応する性質を利用することを思い付く。
両腕を縛り、愛娘を背負い、
長い枝で人間の血と肉を自分の前につるす。
まさに馬の鼻先に人参をぶら下げた状態。
一見シュールな絵面ですが、彼の愛ゆえの行動ですね。
個人的満足度
7/10
独自の面白い設定はあるがそれが活かしきれていない。
良くも悪くもラストシーンが際立った作品。
相変わらず眉間にシワを寄せた困り顔が似合う